窪美澄の新刊情報|過去作品も一覧で紹介

R‐18文学賞大賞受賞作『ふがいない僕は空を見た』で知られる作家・窪美澄さんの単行本最新刊情報と、デビュー作から新作までの全19冊をあらすじ付きの時系列降順で紹介します。ネットショッピングや調べ物、選書にお役立てください。

単行本最新刊は『朱より赤く』

■あらすじ
父は、女にだらしのない鍛冶職人だった。物心ついたとき、すでに母はいなかった。綺麗な着物を着せたる、という父の誘うような言葉に乗じて、12歳だった彼女は、気が付けば菜乃葉の名で大阪にて舞妓見習いをさせられていた。
14歳で旦那への腹いせのようにして小指を切り落としたことで世間の耳目を集め、ブロマイドは飛ぶように売れた。花柳界から退いたあとも、社長夫人、映画女優と華やいだ世界に身を置いた。
それでも、彼女の心が定まることはなかった。38歳、仏門を叩いた。
(Amazon商品説明より)

出版社小学館
発売日2022年1月26日
定価1,760円
Amazon楽天

窪美澄の過去作品一覧【時系列降順】

「タイトルのみの箇条書き」と、「Amazon・楽天の商品リンク付きリスト」を紹介します。用途に応じて使い分けて下さい。まずは前者から記載します。

  • 『朱より赤く』
  • 『朔が満ちる』
  • 『ははのれんあい』
  • 『私は女になりたい』
  • 『たおやかに輪をえがいて』
  • 『いるいないみらい』
  • 『トリニティ』
  • 『じっと手を見る』
  • 『やめるときも、すこやかなるときも』
  • 『すみなれたからだで』
  • 『アカガミ』
  • 『さよなら、ニルヴァーナ』
  • 『水やりはいつも深夜だけど』
  • 『よるのふくらみ』
  • 『雨のなまえ』
  • 『アニバーサリー』
  • 『クラウドクラスターを愛する方法』
  • 『晴天の迷いクジラ』
  • 『ふがいない僕は空を見た』
  • 2022年1月
    『朱より赤く』
  • 2021年7月
    『朔が満ちる』

    ■あらすじ
    かつて中学1年の時に僕は、酒を飲む度に荒れる父親に手を焼き、遂に斧で殴りかかって殺そうとしたことがある──心に傷を負ったまま家族とも離れ、悪夢のような記憶とともに生きていく史也。荒んだ生活の中で、看護師の千尋との出会いから、徐々に自身の過去に向き合おうとする──これは「決別」と「再生」の物語。

  • 2021年1月
    『ははのれんあい』

    ■あらすじ
    長男の智晴(ちはる)を産んだ由紀子は、優しい夫と義理の両親に囲まれ幸せな家庭を築くはずだった。しかし、双子の次男・三男が産まれた辺りから、次第にひずみが生じていく。死別、喧嘩、離婚。壊れかけた家族を救ったのは、幼い頃から母の奮闘と苦労を見守ってきた智晴だった。智晴は一家の大黒柱として、母と弟たちを支えながら懸命に生きていく。直木賞候補作『じっと手を見る』の著者が描く、心温まる感動の家族小説。

  • 2020年9月
    『私は女になりたい』

    ■あらすじ
    赤澤奈美は47歳、美容皮膚科医。カメラマンだった夫とは別れ、シングルマザーとしてひとり息子を育て、老いた母の面倒を見ながら仕事一筋に生きてきた。ふとしたことから、元患者で14歳年下の業平公平と、事故に逢うように恋に落ちてしまう。心を閉ざすように生きてきた奈美の、モノクロームだった世界が、色と音を持ち始めた。

  • 2020年2月
    『たおやかに輪をえがいて』

    ■あらすじ
    性風俗に通う夫、整形で美しくなった親友、愛した父の不実。人生の折返し点で知る〈真実〉が、主婦・絵里子を柔らかに変身させる――妻でも母でもない道が、鮮やかに輝き出す長編小説。

  • 2019年6月
    『いるいないみらい』

    ■あらすじ
    夫と二人の快適な生活に満足していた知佳(35歳)。しかし妹の出産を機に、彼の様子が変わってきて……「1DKとメロンパン」 妊活を始めて4カ月が過ぎた。時間がないとあせる妻に対し、夫の睦生(34歳)は……「無花果のレジデンス」 独身OLの茂斗子(36歳)は、単身者しか入居していないはずのマンションで子どもの泣き声を聞いて……「私は子どもが大嫌い」 子どもがいてもいなくても……毎日を懸命に生きるすべての人へ、 そっと手を差し伸べてくれる、5つの物語。

  • 2019年3月
    『トリニティ』

    ■受賞/候補
    第36回織田作之助賞受賞、第161回直木賞候補

    ■あらすじ
    仕事、結婚、男、子ども……私はすべて手に入れたい。欲張りだと謗られても――。1960年代、出版社で出会った三人の女。ライターの登紀子は、時代を牽引する雑誌で活躍。イラストレーターの妙子は、才能を見出され若くして売れっ子に。そして編集雑務の鈴子は、結婚を機に専業主婦となる。変わりゆく時代の中で、彼女たちが得たもの、失ったもの、そして未来につなぐものとは。渾身の長編小説。

  • 2018年4月
    『じっと手を見る』

    ■あらすじ
    富士山を望む町で暮らす介護士の日奈と海斗はかつての恋人同士。ある時から、ショッピングモールだけが息抜きの日奈のもとに、東京の男性デザイナーが定期的に通い始める。 町の外へ思いが募る日奈。一方、海斗は職場の後輩と関係を深めながら、両親の生活を支えるため町に縛りつけられる。自分の弱さ、人生の苦さ、すべてが愛しくなる傑作小説。

  • 2017年3月
    『やめるときも、すこやかなるときも』

    ■あらすじ
    欠けた心を抱えたふたりが出会い、お互いを知らないまま、少しずつ歩み寄っていく道のり。 変化し続ける人生のなかで、他者と共に生きることの温かみに触れる長編小説。

  • 2016年10月
    『すみなれたからだで』

    ■あらすじ
    男が、女が、突然、姿を消した。けれど、本当にいなくなってしまったのは……。生きることの痛みと輝きを見つめる窪美澄の短篇集。

  • 2016年4月
    『アカガミ』

    ■あらすじ
    若者が恋愛も結婚もしなくなり、国はお見合い制度「アカガミ」を立ち上げた。ミツキはアカガミを通じて恋愛や性を知るのだが……。

  • 2015年5月
    『さよなら、ニルヴァーナ』

    ■あらすじ
    少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝した少女、その運命の環の外にたつ女性作家。「少年A」は彼らに何をもたらしたのか。

  • 2014年11月
    『水やりはいつも深夜だけど』

    ■あらすじ
    セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。 仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。 自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。 出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。 父の再婚により突然やってきた義母に戸惑う、高一女子。 同じ幼稚園に子どもを通わせる家々の、 もがきながらも前を向いて生きる姿を描いた、魂ゆさぶる5つの物語。

  • 2014年2月
    『よるのふくらみ』

    ■あらすじ
    同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。圭祐と同棲しているみひろは、長い間セックスがないことに悩み、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。みひろに惹かれている弟の裕太は、二人がうまくいっていないことに感づいていたが――。抑えきれない衝動、忘れられない記憶、断ち切れない恋情。交錯する三人の想いと、熱を孕んだ欲望とが溶け合う、究極の恋愛小説。

  • 2013年10月
    『雨のなまえ』

    ■あらすじ
    女は小さな声で、マリモ、と言った―。家具ショップで働き、妊娠中の妻と何不自由のない生活を送る悠太郎。ある日店に訪れた女性客と二度目に会った時、彼は関係を持ち、その名を知る。妻の出産が迫るほど、現実から逃げるように、マリモとの情事に溺れていくが…。(「雨のなまえ」)答えのない「現代」を生きることの困難と希望。降りそそぐ雨のように心を穿つ五編の短編集。

  • 2013年3月
    『アニバーサリー』

    ■あらすじ
    母親との確執を抱えて育ち、望まれない子を妊娠、たった一人で出産を迎えようとする三十代の真菜。七十歳を過ぎても、育児中に始めたマタニティスイミングの指導員を続ける晶子。あの日、あの震災が、二人を結びつけた――。食べること、働くこと。子供を産み、育てること。世代の違う二人の物語を丁寧に紡ぎながら、時代とともに変わりゆく女性たちの生を凝視した渾身の長編小説。

  • 2012年10月
    『クラウドクラスターを愛する方法』

    ■あらすじ
    「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。 誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。 その原因は……

  • 2012年2月
    『晴天の迷いクジラ』

    ■受賞/候補
    山田風太郎賞受賞

    ■あらすじ
    デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていた――。苛烈な生と、その果ての希望を鮮やかに描き出す長編。

  • 2010年7月
    『ふがいない僕は空を見た』

    ■受賞/候補
    R‐18文学賞大賞受賞、山本周五郎賞受賞、2011年本屋大賞第2位、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位

    ■あらすじ
    高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが―。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。